9月10日(月) 【旅380日目 タイ25日目】
今日も、Chiang Khamにあるシャンティ山口の事務所での目覚め。
事務所は、チエンカムの市街地から10kmのところにあり、
そこからさらに10kmほどの山の中に、
ホイプム村という、モン族の人々が住む村がある。
+ + + + + + + + + +
ここから、ちょっと説明。
村に住むのは、ラオス内戦時に、ラオスから逃れてきた難民の人々。
*簡単に言うと、内戦時に、現在のラオス政権側(共産主義)と敵対した、
負け側(アメリカ勢力側)の人々
ホイプム村のような村は、この地域にた~くさんあるらしい。
内戦後、彼らはラオスに留まることはできず、(→捕まれば殺される)
メコン川を越えてタイに逃げ込んだけれど、
タイ政府も、簡単に、
「大変でしたね。では、うちの国で自由に暮らしてください。」
とはならない。(→厄介者扱いされる。)
そういうわけで、ラオス難民のモン族の人々は、
タイ―ラオス国境付近の山岳地帯で、苦しい生活を強いられることになったという。
佐伯さんは、そういった経緯で難民になってしまったモン族の村での支援活動を、
20年以上に渡って続けている人。
今回、その支援活動を手伝わせてもらおうと思って佐伯さんを訪ねたのだけど。
タイミングが悪かった!(@0@;)オーマイガッ!!
この時期は、エコトイレの建設や山への植樹作業の仕事がないとのこと。
労働力としては、あまり役に立てそうもないみたい…(^.^;)
なので、この旅の記録を通して、
シャンティ山口の活動と、モン族という人々の暮らしについて、
少しでも知ってもらい、興味を持ってもらえるようにお手伝いできればと思う。
説明おわり。
ヘンなやつが、変な時期に訪ねて来てしまったワケだけど…
佐伯さんがいろいろと配慮をしてくれて、まずは今日から三日間、
ホイプム村のモン族の家庭で、ホームステイをさせてもらうことになった!
朝から、ホイプム村へ出発~!
【佐伯さん、住田くんと、現地スタッフの方2名の5人で向かった】
途中まではアスファルトで舗装された道だったけど、
ホイプム村へ向かう山道(6km)は、ボコボコの山道だった。
政府はまだ、ホイプム村をタイの正式な集落とは認めていないため、
村への道路・電気・水道などのインフラ整備をしてくれないとのこと。
村への山道を進む間、見えた景色は、斜面に広がる広大なトウモロコシ畑だった。
【↑こんな感じであります】
村人たちの、現在の収入源は、このトウモロコシ。
ただし、それらは食用ではなくて、
バイオエタノール用に出荷する「遺伝子組み換えトウモロコシ」だという。
そして現在、
この遺伝子組み換えトウモロコシが、村の人たちにとって、大きな問題になっている。
*時間のない方は、下にある写真(東京新聞:杉谷さんの書かれた記事)を表示してお読みください。
①山がハゲた。土地がヤセた。
遺伝子組み換えトウモロコシは農薬に強いし、食べ物ではないので、
強い農薬をまいても大丈夫。
しかし強力な農薬が浸透した結果、トウモロコシ以外は生きられない土地になる。
土地がどんどんヤセてゆくことになる。
【収穫前の今は、まだ緑の山だけれど…】
トウモロコシが育つ季節以外は、茶色のハゲ山になってしまう。
②ますますハゲた。
強い農薬によって枯れた土地は、年々ヤセてゆき、
数年で、トウモロコシに実がならなくなることもあるそう。
農民は仕方なく、新たに山の森林を切り開き、新しい畑を作る。
そして、同じように遺伝子組み換えトウモロコシを育て、また土地がヤセ&ハゲてゆく。
③洪水や土砂崩れが増えた
ヤセて何も育たなくなった山は、保水力を失い、
降った雨が急激に山を下るようになった。
そのため今は、たった15分の雨で、小川が太い激流になってしまうこともあるとか。
④農薬による健康被害も心配
強い農薬のしみ込んだ山を通過した水が、生活用水の小川にも流れ込むので、
村人の健康被害も懸念される。
【トウモロコシ栽培と、森林破壊についての記事】
現地で取材をされた、杉谷さんの書かれた記事(東京新聞)です。
画像をクリックすると、文面を読めるサイズになります。
佐伯さんは今、"アグロフォレストリー"と呼ばれるやり方で、
ホイプム村の人々の生活と、森の自然の両方を改善しようというプロジェクトに取り組んでいる。
今回は、文量が多くなってしまったので、
その説明は、また今度。
説明おわり。
とにかく、モン族の住むホイプム村に、初めてやってきた俺。
いったい、どんな体験ができるんだろう??
わくわく♪
村に着いてから、買ってきたお弁当をみんなで食べ、
午後になってから、ホストのチャンさんが迎えにきた。
【そして、チャンさん夫妻の家へ】
【チャンさんと、奥さんのワンさん】
チャンさんは、俺と同い年の30歳。
二人とも、モン語とタイ語を話せる。(村人同士の会話は、モン語)
俺は、どっちもできないので、
【この本を頼りに、がんばって会話する。w】
二人とも穏やかで優しく、とても感じのいい人だった。
家についてすぐ、まずはお互い自己紹介。
指さし会話帳を頼りに、話すのも聞くのも、お互いがんばる。
あの本は、意思の疎通にはすばらしく有効で、
1時間くらいの会話で、お互いの境遇が、かなり詳しく理解し合えた。
ただし、メッチャ疲れたので、ちょっと休憩。
…と思ったら!
休憩しすぎて(寝過ぎて)、目を開けたらもう真っ暗だった。(午後7時)
あ、そうか。
村には、電気がないんだった。
「ケン。ゴハン。」
チャンさんが、呼びにきてくれた。
【台所兼ダイニング小屋】
ろうそくと懐中電灯だけなので、とても暗い。
そして静か。
【晩御飯の食卓】
た~っぷりの白ごはん、ソーセージ野菜炒め、スープ(←米のとぎ汁みたい)。
おかずは少ないけど、コメは畑で育てているので、好きなだけ食べさせてもらえる。
ごはんも野菜炒めも、すごくおいしい。
お腹いっぱい食べさせてもらった♪
水は、近くの小川から引いていて、それを煮沸して飲み水にもする。
食後、改めていろいろ話をした。
パソコンに入っている、これまで旅した国や日本の写真を見せると、
喜んでもらえたし、自分のことをより深く理解してもらえた。
21時前には、みんな布団に入った。
俺は、眠くなるまでタイ語の勉強。
ホストファミリーが、いい人たちでうれしかった!
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読み込み中・・・
MASA&ASAさん、コメントありがとうございます♪
東南アジアでは、難民や貧困層の人々など、
苦しい生活をしている人達に出会うことが多く、
僕もいろいろ考えさせられます。
今は、役立たずでお気楽な旅人ですが、その分、
自分も将来、佐伯さんのように、
誰かのために一歩踏み出せる人間にならなくてはと思います。
旅の方は、相変わらずいい出会いに恵まれていて、順調です(^ ^)b
東南アジアでは、難民や貧困層の人々など、
苦しい生活をしている人達に出会うことが多く、
僕もいろいろ考えさせられます。
今は、役立たずでお気楽な旅人ですが、その分、
自分も将来、佐伯さんのように、
誰かのために一歩踏み出せる人間にならなくてはと思います。
旅の方は、相変わらずいい出会いに恵まれていて、順調です(^ ^)b