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しかし、阿波座は思ったよりも遠かった。
そんなに時間がかかると思わず、途中のマックでのんびり休憩していたら、
領事館のホームページに、
"査証受付 9:00 ~ 12:00"
と書いてあるのを見て、びっくり。
もう11:30だったのである。
「あ~!バカだ~オレ!」
阿波座まで30分で行くのは、電車を使ったとしても不可能だった。
三連休前の金曜日である今日、申請できなかったら、ビザの取得が来週中にできなくなる。
のんびりネットをしながら、パソコンの電池を充電している場合ではなかった。
でももう、あとの祭り。
金曜日に申請できるよう、昨日とおとといがんばってこいだのになぁ。
「やっちまった…。」
4日で済まそうと思っていた大阪滞在に、余計なプラス3日間を加えることになった。
「でもまあ、この機会に、大阪周辺をゆっくり観光すればいいか。」
自分のマヌケさに嫌気がさしつつも、無理やり納得。
領事館まで行くこともなく、さっき来た道を引き返して、
高槻市を目指して走り出した。
昨日、大阪にいる間の宿を提供してくれるとメールをくれた、
かりこのお母さんとは、待機していたマックでたまたま会えた。
偶然出会ったようなものだったので、マックではほんの少し話しただけだったけど、
かりこから話で聞いていた通り(いや、それよりもさらに)元気で楽しそうなお母さんだ。
「なるほどなぁ。」
かりこの人柄とお母さんの雰囲気を比べてみて、勝手に納得。
「楽しくなりそうだ♪」
大阪滞在への期待が膨らんだ。
お家に着くと、お部屋を一つと家の鍵も貸していただき、
「どうぞ、何でも自由にしてね。」
と、お母さん。
部屋には、お菓子と飲み物まで用意してくれていた。
旅をしていると、与えられることばかりで、人に与えることがほとんどなく、
ひたすら、感謝したり恐縮したりするばかり。
人に親切にしてもらえるのは、もちろんうれしいことだけど、
そればっかりだと、だんだん、自分がずるくていけないことをしているような気になる。
そして、今の旅生活を始めてから、「人に感謝される」という経験がとても少なくなったと思う。
旅をすればするほど、人から受け取る"恩"は増えていく。
そういう"恩"の借りは、将来、自分が落ち着いたとき、
出会った人に親切にしたり、恩のある人に直接お礼をすることでちゃんと返していくつもりだけど、
やっぱり今、恩を受け続けて生活していくのも、やはりちょっと心苦しい。
そんな思いがあるから、こちらが
「僕に何か出来ることがあったら、何でも言ってください。」
と提案したとき、何か自分が力になれることをお願いしてもらえると、ほんとにうれしい。
かりこのお母さんには、隣に住んでいるおじいちゃんおばあちゃん夫妻の、
庭の草むしりを手伝ってあげてほしいと提案してもらえた。
喜んでやらせてもらおうと思った。
今、俺に出来ることといったら、ちょっとした肉体労働くらいだけど、
そんなことでも、少しでも「他人に喜んでもらえる」という経験は、
今の生活では、貴重な経験のひとつである。
気ままに旅するのは楽しいけど、
自分の存在が、少しでも他の人にもプラスになるように努力もしていきたい。
旅生活で得られた、いい心の変化のひとつだと思う。
夜は、仕事から帰ってきたお父さんとも会えて、
遅くまで話をして、楽しく過ごせた。
そして明日は、お母さんが大阪の"ディープゾーン"を案内してくれることに♪
「ディープな大阪って、どんなんだろ??」
わくわくしながら、ぐっすり寝られた。
【走行距離:37km】
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