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ちくしょう、ちくしょうちくしょう!


なんで、あのまま寝ちまったんだ!!

 

犯人も憎いけど、油断したバカな自分が、

ほんとにどうしようもないと思いながら、走った。

 


+ + + + + + + + + +


さっきまで雨が降っていたのに、

今拾い集めた衣類が全く濡れていなかったので、


[もしかしたら、まだそんなに遠くへは行ってないかもしれない。]


と思った。

 


そして、500~600m走ったところで道路脇に自転車を発見!

 

歩道には、今までに立ち寄った場所の地図やチケットが散乱していて、

貴重品を入れた袋も落ちていた。


だが、パスポート、予備の財布、小銭入れ,

パソコンやiPhone、カメラなどの高価なものは、当然のように全て失くなっていた。 

ますます絶望感が走る。

 

うぉぉぉ~!

 

ふと見ると、

すぐ横の河原に、残りの荷物が全てぶちまけられていた。

 

ここだ。

 

犯人は、ここで荷物を物色したんだ。

 

落ちてる地図やチケットが濡れていないので、

やっぱり、ついさっきまで、犯人はここにいたらしい。

 

見つけたら、死ぬほど殴ってやろうと思っていた。

 

でも、辺りにはもう人影がない。


少しだけ、遅かったか! 

 


絶対に、街の方へ行ったはずだ。


荷物をかき集めてサイドバッグに詰め、自転車に乗って街を目指した。

 

サドルが低く下げられていた。

たぶん一人だ。

そして、小柄なやつだ。


わざわざサドルの調節をして、俺のケーン号に勝手に乗っていったかと思うと、

ますます怒りが湧いてきた。


見つけたら、**してやる。

 

自分はきっと、鬼のような形相をしていたと思う。


"パソコンを持った小柄なやつ"


を探しながら、市街地への最短ルートを自転車で追った。


 

しかし、市街地側へ川を渡る橋がすぐ近くにあったため、

街なかへ逃げ込むまでの道のりは、わずか300mほどだった。


 

市街地に入ると、歩道にも、商店の中にも人があふれている。


ダメだ、見つかりっこない。


犯人がよほどのアホでない限り、

さっき盗んだ自転車に乗っている俺の前には、姿を見せないだろう。



 

それでもあきらめず、一応街中をウロウロ探し回ったけど、

やはりムダなあがきだった。

 
くそっ!!


 

自転車と大半の荷物が見つかったことで、

描いていた"最悪の状況"よりはだいぶマシになったけど、

 さっき見た感じでは、所持金の全てと、電子機器のほとんどが失くなっていた。


決して、喜べる状況ではない。



 

頭を冷やして、次の最善策を考えた。


クレジットカードが1枚、盗られている。


まずは、それを悪用されるのを防がなくては。

 
 

それが第一だと考えて、国際電話をかけられる場所を考えた。


が、思いつかない。


公衆電話は、街なかでほとんど見かけないし、

果たして、それで国際電話をかけられるかもわからない。

 

広東省の人は、いい人が多いとは思っていたけど、

それでも、こんなに切羽詰まった状態の外国人を、

ちゃんと助けてくれそうな人に出会うのには、かなり時間がかかりそうだと判断した。

(つまり、ほとんどの人は相手にしてくれないだろうということ。)

 

やっぱり、まずは警察だ。

 

 

そう思って、警察署を探した。


近くの商店に入って、場所を聞きまくった。


[ポリース(Police)在哪里??]


と聞いても、やはり全く理解してもらえず、相手にもされない。

 

本を出して発音を調べるのが面倒だったので、

手のひらに[警察]と書いて、見せて回る。


そんな必死な自分を、冷たい人は、本当に冷たくあしらう。


[ああ?何言ってんだよ?わかんねーよ。あっちへ行ってくれ。]


こういう人が、半分くらい。

親切な人も多いけど、[親切]の意味すら知らないような人も多い。

 

残り半分の、まともな人の導きのおかげで、

20分くらいで、ようやく派出所が見つかった。



[我的信用卡偷了。我要国际电话。我要取消我的信用卡。]

 

日本語も英語も、ほぼ100%通じないので、

知ってる意味の単語を適当に組み合わせて、なんとか、

[クレジットカードが盗まれた。国際電話をかけたい。カードの停止をしたい。]

と、伝えた。


すると、


[ここでは、国際電話はかけられない。大丈夫だ、中国ではお前のカードは使えない。]
 

なんてことを言われた。

そんなわけないだろ!!



大丈夫なわけがない。


こっちが必死なのに、向こうは笑いながら、終始ヘラヘラしていて、


[日本人か?自転車で来たのか?どこへ行ったんだ?どれくらいかかった?いくらかかった?]


などと、興味本位で関係ない質問をしてくる。

その無神経さに頭にきつつも、


[頼むから、国際電話をかけられるところだけでも教えてくれ。]


そう頼むと、[東城国際酒店]ならあるだろうと教えてくれた。


場所を聞くと、ゴルフのカートみたいな警察車輌に自転車ごと乗せてくれ、

[東城国際酒店]まで連れていってくれた。

 

困っている人の見方になってくれるいい人たちなのだろうけど、

対応の仕方がいちいち腹立たしく感じた。


これも、日本人との感覚、文化の違いなんだろう。




(3)へつづく。


 

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