2月25日(木)【オーストラリア8日目】
【その2】
突然だけど、ここでちょっとお知らせ。
自転車の旅はやめることにしました。
"旅"はもちろんやめないけど、
"自転車の旅"はやめなくてはいけない理由ができたので。
実は今、日本に、自分の帰りを待っている人がいて、
その人を待たせすぎるわけにはいかないので、
旅の期間を短縮する必要が出てきたのです。
オーストラリアにはワーホリできたから、
半年~1年はここにいて、牧場で働いたり、
自転車で全土を回ったりするのが目的で来たのだけど、
それも、時間的にやはり不可能になった。
でも、別にいい。
充電期間中もずっと考えてはいたことだし、
それでも後悔はしないと、今、自信を持てるから、
別にいい。
こっちに来てから一週間。
やはり、自転車での旅は出会いが多くて、やりがいもあって、
旅を楽しむための、一番の道具だとは思うけど、
自分にとっては、ただの"手段"であり、
"目的"は、「旅をして、いろんな国の文化や人に出会うこと」であるから、
自転車はなくてもいい。
たった1週間で計画を変更することに、
「抵抗がない」と言えば嘘になるけど、
自由だった旅の、「期間」と「手段」に制限を付けてでも
手に入れたいものが見つかったのだから、
仕方がないのだと判断をしました。
旅の期間は、長くて2年。
おそらく、それよりも短くなると思います。
いろんなところで、自分のことを応援してくれたみなさん、
ちょっとがっかりさせたかもしれませんが、すみません。
でも、自分としては筋が通っている決断なので、
どうぞこれからも、温かく見守ってくれればと思います。
ということで、次の町へ行ったら、愛車ケーン号ともお別れ。(:_;)
でも、旅は楽しく続けます♪
2月25日(木)【オーストラリア8日目】
【その1】
今日は、いよいよまた南下を開始。
荷物をまとめ、朝10時に、2日間お世話になった
イアンさんとまささん、あさこさん、だいさん、いくこさんにお別れをした。
2日間、楽しい時間をどうもありがとうございました☆
空は今日もギンギラの快晴で、太陽光が皮膚に刺さるようだった。
次の大きな町は、"Townsville"というところだけど、
そこまでは165kmもあったので、
今日は無理をしないで、のんびりと南下することにした。
「Cardwellから少し南に行くと、大きな山越えがあるから大変だぞ。」
とイアンさんに脅かされてたけど、
なんのことはない。
それは、たった10分で上りきれるような、小さな山だった。
意気込んで上ったから拍子抜けしたけど、
おそらく、
この平らでだだっ広いオーストラリアに住んでいるイアンさんにとっては、
あれぐらいの小さな"丘"でさえ、ちょっとしたものに感じるのだろう。
山だらけの日本とは、環境が全然違うなぁと改めて感じた。
夕方近くになり、"Ingham"という町に着いた。
地図をみると、ここから近い先に町はなさそうだったので、
今日はここでストップすることに。
「オーストラリアのマックでは、ネットにタダでつなげるよ。」
と聞いていたので、通りかかったマックに入ってみると、
本当にタダでネットにつなげてびっくり。
日本を旅していたときと同様、またマックにはたくさんお世話になりそうだ♪
暗くなる前に寝床を確保しようと思い、
町外れにあったキャラバンパークへ行ってみた。
トイレやシャワーも使えて、テントを張るのに$18。
交渉したら$15にしてくれた。安い。
が、これからのことを考えると、それすらもケチりたくなり、
少し離れた空き地に、テントを張ることにした。
今日の移動距離は、約50km。
相当のんびりペースだけど、まあ、そこまで急ぐこともあるまい。
2月24日(水)【オーストラリア7日目】
今日も快晴!
朝から、釣りへ出発した。
イアンさんの船に乗って、釣り場まで、
快調に船は進む。
島と陸に挟まれた海は、とても穏やかで、
水面はまるで湖のように静かだ。
左右の沿岸には、マングローブ林が広がり、
その奥には、Hinchinbrookにある山脈が連なっている。
そんなすばらしい風景の中を、風を切って船で進むのは
最高に気持ちがよかった☆
午前中は全然釣れなかったけど、午後になって魚がヒットしだした!
とてもラッキーなことに、今日は4匹も釣ることができた♪
GT("ジャイアントトレバリー"という、デッカいアジ)が2匹にバラクーダが1匹。
バラマンディは、なかなか釣れないらしいので、
とてもいい思い出になった♪(^-^)v
夜は、GTとバラマンディの刺身に、焼きバラマンディ。
そして、カレーライス!
どれもおいしかったけど、やっぱりカレーが一番だった
かな。
うーん、アイアム日本人。
クルージングも釣りも、楽しかったー☆
ほんと、みなさんお世話になりました!(^0^)/
【その2】
偶然の出会いから自転車ごと車に乗せてもらうことになり、
ジェニーさんのお店を出発した。
乗せてくれたのは、オーストラリア人のおじさんで、
イアンさん。
(イアンさんはもう65歳だから、"おじいさん"かな。)
イアンさんと一緒にいたのは、日本人の
まささん、あさこさん、だいさん、いくこさんの4人。
みんな俺より少し年上の人で、優しい感じのする人たちだった♪
イアンさんの車に乗りながら、自己紹介をしたり、
これまでの旅の経緯を話したりして、楽しく過ごした☆
話をしながら、
「もし急いでいないなら、今日は私たちと一緒に泊まらないか。」
とイアンさん。まささん達も、
「一緒に船で釣りもできるよ。」
と、これまためちゃくちゃうれしいお誘いをしてくれた☆
「え!?いいんですか!?ぜひぜひ、お願いします♪」
という感じで、今日の楽しみが一気に膨らんだ☆
大雨のBRUCE HWYを、船と俺の自転車を牽引して、
車は時速100kmで進んでいく。
"文明の利器"である。
1時間ちょっとで、目的地である"CARDWELL"に到着。
こっちは雨が上がっていた♪
宿にチェックインをして、すぐにボートで海へGO!!
CARDWELLには、"Hinchinbrook Island"という大きな島があって、
全体が国立公園になっている。
その島と大陸の沿岸にはマングローブが広がっており、
そこが絶好の魚釣りスポットらしい。
イアンさんが船を操縦し、まささんとだいさんと俺の3人は、
ルアーでマングローブの際を攻める。
夕方、満潮が近づいてくると、魚がヒットしだした。
まずは、まささん。
『バラマンディ』という、一番人気の高い、
大きな魚がヒット!
(日本では、「赤目」というらしい。)
が、残念ながらバレてしまった。
でも、とても大きな魚影を目にして、
「すごい!あんなのが釣れるの!?」
と、興奮の波が一気にやってきた♪
と、すぐに、
今度はだいさんにバラマンディがヒット!
70cmくらいのバラマンディが、釣り上げられた!
「すげ~!!!」
自分が釣ったわけでもないのに、大興奮。
記念に、あたかも自分が釣ったかのような写真まで撮らせてもらった♪
「ケン。その写真を日本で見せて、「俺が釣ったんだ!」って、大ボラを吹いちゃいな。」
イアンさんが笑ってそう言うので、
「No.I'm hornest man!」
とかえすと、イアンさんが笑った。
「いいな~!俺もあんなのを釣りたい!」
と思ってがんばってみるけど、
ヘタクソな俺は、根がかりしてばかり…。(~.~;)
その都度、まささんたちが、嫌な顔一つせずに、
協力してルアーを取ってくれた。
(すみません…。)
その後、まささんは『バラクーダ』という魚(こっちは日本で言う「サヨリ」)を3匹も釣り、
いよいよ終了時刻が近づいてきた。
「あ~。結局俺はボウズかぁ。」
と思ったとき、俺の竿にも強いアタリが!!
ナンダ!?ナンダ!?
興奮して釣り上げると、それはデッカイなまずのような魚だった!
「おお!"Flat head"じゃん!大きいね~!」
よくわからないけど、それは日本では「こち」と呼ばれる、
食べるとおいしい魚のようだった☆
65cm。なかなかの大物だ!
「やったー!!」
喜んでいると、イアンさんが
「お~!これで嘘をつかなくて済むな、ケン!」
だって。笑
めちゃくちゃうれしかった☆
宿に帰り、夜は釣った魚でバーベキュー♪
魚を釣れたこともうれしかったけど、
今日出会った人たちと、楽しく釣りをして、
お酒を飲みながらワイワイ過ごせることが、
本当にうれしかった☆
「こうなったら、明日も一緒に釣りに行くかい?」
とイアンさん。
あは!
いいんですか!?
やっほー!!(^0^)/
今日もまた、思い出に残るいい一日だった☆
【その1】
朝9時。
目を開けなくても、外は大雨であることが音でわかる。
「う~ん。今日もまた大雨かぁ。ジェニーさん、今日も一日泊めてくれないかなぁ。」
そんな甘えたことを寝ぼけながら考えたあげく、
何度寝かを繰り返し、ようやく起きる気になった。
今日はジェニーさんの誕生日。
「明日は私の誕生日なのに…お店を休めないのが辛いわ。」
昨日、がっかりしていたジェニーさんの表情が浮かび、
俺はだいぶ寝坊助だけど、お祝いの言葉だけは、
始めにちゃんと言っておこうと思っていた。
「Good morning. And,happy birthday Jenny!!」
「Hi,thank you! KEN.」
相変わらず笑顔の素敵なジェニーさん♪
お店には、もうすでに何人かお客さんがきていた。
と、俺が店に入ったのとほぼ同時に、
4人の日本人のお客さんが入ってきた。
「あの人たち、日本人かしら。」
ジェニーさんにそう聞かれ、日本語で話すのが聞こえた俺が、
「そうだ。」と答えると、
「あなた、ちょっと言って話してきたら。」
とジェニーさん。
俺も、いろんな人と話してみたいので、喜んで、
「こんにちは。」
と挨拶をした。
若い男女グループの、その4人組の方たちは、
"4人組"ではなく、一人のオーストラリア人のおじさんと一緒に行動しているようだった。
「あの人は、ガイドさんかなにかですか?」
と聞くと、そうではないようで、
今は、ケアンズにあるそのおじさんの家にお世話になっていて、
これから3泊4日で、南の方に釣りに行くところだとか。
「へぇ~、おもしろそうだなー。」
と思いつつ、日本語でしゃべれるのもうれしかったので、
少し会話に混ぜてもらっていた。
と、ジェニーさんが、そのオーストラリア人のおじさんに、なにか話していた。
そして、
「ケン。この方たちはここから南にある"Cardwill"というところまで行くみたいだけど、あなたのあの重たい荷物、先に車で持って行ってもらったら?」
と俺に提案してくれた。
(ジェニーさんは、昨日から、「誰か俺を自転車ごと連れていってあげられる人がいないか」と探してくれていたのだ♪)
「"Cardwill"ってどこ?」
と聞くと、ここから200kmも離れていないところだという。
(実際は100kmの距離だったけど。)
200kmは、1日で追いつくには微妙な距離だし、
外は雨だったから、どうかと思ったけど…。
一応それはかまわないのか、おじさんに聞いてみた。
と、しばらく話していると、おじさんが、
「自転車も船の上に積んで行けば、一緒に"Cardwill"まで連れていけるよ。」
と言ってくれた!
(どうやらおじさんの車は、船を牽引しているらしい。)
「え!?それはありがたい☆」w(°0°)w
(俺は自転車で旅をしているけど、別に、何かの記録を達成するために自転車を選んだわけではなく、"旅の便利な道具"として使っているだけなので、トラックに積もうが電車に乗ろうが、全然かまわないのです♪むしろ、"ヒッッチハイク"は、よき出会いにつながるとてもいい移動手段だ☆)
ジェニーさんが、
「ケン。これはあなたにとって、いいチャンスよ。あなたは、早く荷物をまとめてきなさい!」
と言うので、俺は大急ぎで2階にあった荷物をまとめた。
4人の日本人の方も、とても感じのいい人たちで、
「ほんとに僕も一緒に連れてってもらって、いいんですか?」
と聞くと、
「全然かまわないよ。」
と優しく答えてくれた♪
自転車やサイドバッグなど、たくさんある荷物を一緒に積んでもらい、
出発の準備も整ったとき、
ジェニーさんがやってきた。
手には、お手製のバーガーや、凍らせた水にジュース、
味噌汁の缶詰まで持っている。
「あなたが出発するときのために、水、凍らせておいたわ。これは朝食に食べて。まだでしょ?あと、このボトルの水は、口が飲みやすくなってるから、これからの旅にもいいと思うわ。」
と言って、たくさん持たせてくれた☆
うれしくて、涙がでてきた。
「ジェニーさん、俺はもっとここで過ごしたかったよ。昨日から親切にしてくれて、本当にありがとう。」
精一杯の英語と表情で、その気持ちをなんとか伝えられたと思う。
ジェニーさんも、
「あなたはいい人よ。会えてよかったわ。気をつけてね。」
と答えてくれた。
あっと言う間に訪れた、優しいジェニーさんとの別れ。
でも、それは、新しい出会いの始まりでもあった☆