2月27日(土)【オーストラリア10日目】
【その2】
午後3時半。
Townsvilleまでは、残り70km。
今日は雨が降っているし、暗くなってからも走るのは嫌だったから、
たどり着かなかったら、途中で適当にキャンプするつもりだったけど…
先ほどの"幸運なお誘い"が、
「こんな幸運な出会いを、無駄にしてたまるか!」
という、強いエネルギーを俺に与えてくれた☆
そこからは、一心不乱にひたすらこいだ。
最後に100km以上自転車に乗ったのは、
4ヶ月くらい前だったので、
久しぶりの長距離は、背筋が疲れてハードだったけど、
また今日も新たな出会いが待っているかと思うと、
俄然、力が湧いてきた!p(^へ^)q
道はただ、ひたすらまっすぐ。
でも途中、雨が大雨過ぎて笑っちゃったり、
カンガルーが跳んでいたりして、退屈はしない。
午後7時。
ようやくTownsvilleの町に着いた。
あとは、教えてもらった道順で、お家まで行くだけだ。
道順を記してもらった地図はかなり正確でわかりやすく、
絶対にたどり着ける自信があった。
途中途中で目印を確認しつつ、
「もうすぐビール!もうすぐ新しい出会い!!」
と、わくわくして逸る気持ちを押さえながら、
ひたすら急いでペダルをこいだ。
すると、目印だった川を渡ったところで、
一台の車が停まっていて、横で手を振っている人がいた。
「あ!さっきのお父さん!!」
そろそろ俺が来る頃だろうと予想して、
わざわざ様子を見に来てくれていたようだ☆
残りあと1kmほどの道順を確認して、また自転車を走らせた。
そして、午後7時半。
ようやくお家に到着した!
雨でびしょ濡れだった体をシャワーできれいにさせてもらうと、
おいしいビールと、おいしいご飯が待っていた☆
「今日の出会いに、乾杯~☆」
ということで、お酒を飲みながら、
自己紹介から始まり、お互いにいろいろ話をした♪
こちらで飛行機のパイロットをしているお父さんと、
広島県出身のお母さんに、かわいい子が二人。
そして、おばあちゃんと叔父さんという顔ぶれだった。
俺に声をかけてくれたお父さんは、さすが、心の広いオーラを感じる人で、
趣味や職業などがとても多彩な人だった。
「なんでも、まずは"やってみる"っていうことが大事だと思うよ。」
とお父さん。
「まさにその通りですね!!」
俺はお父さんの話に全く同感であり、
すごく共感できる部分がたくさんあった♪
「オーストラリアは物価が高くて、こんなごちそうは滅多に食べられませんから、めちゃくちゃ幸せです!」
というと、
「じゃあ、ここでしっかり栄養をつけていってね。」
とお母さん♪
さっき出会ったばかりの自分に、こんなによくしてくれるなんて…
ほんと、旅は感動の連続だ☆
お腹いっぱいご飯を食べられ、
おしゃべりをしながら楽しくお酒を飲み、
屋根も壁もあって、涼しく快適な部屋で眠ることができる。
今の自分には、これ以上に幸せなことは1つしか浮かばない。
それは、自分が"あちら側"の人間になること。
やりがいのある仕事に、守るべき幸せな家庭を持ち、
他人に優しくする余裕を持って、生活を送ること。
今、自分がやるべきことは、自分が夢に見ていた
「世界旅行」をすることだけど、
人生で一番ほしいものは、"こんな未来"だなぁと思う。
そんな温かさを感じた、いい一日だった☆